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コラム

シリコンアーティストテクノロジー通信 第11号

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https://silicon-artist.co.jp/.:ぜひ、当社のサイトもお気軽にご覧下さい!
お問い合わせはこちらからもどうぞ:https://silicon-artist.co.jp/contact/.
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【 目 次 】
・編集部からのご挨拶
・第18期を迎えてのご挨拶(斑目社長)
・半導体後工程のご紹介
・当社のサービスについて
・編集後記
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【 編集部からのご挨拶 】
いつもご愛読いただきありがとうございます。
蝉の声が元気に響いていよいよ夏本番ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回も、皆さまのお役に立てる情報をご提供してまいりますので、どうぞ最後までご覧ください。

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**第18期を迎えてのご挨拶**
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本年7月1日をもちまして、シリコンアーティストテクノロジー株式会社は、無事に第18期を迎えることができました。
これもひとえに皆様方のご支援、ご協力の賜物と、心より感謝しております。謹んで御礼を申し上げます。
2025年も、はや半年が過ぎました。関西では会期を折り返した大阪・関西万博が盛り上がりを見せています。158カ国
・地域が参加する博覧会は見所も多く、パビリオンやイベントなどを通して「国、地域、文化、未来、技術、アート」等、
様々な物事を知り、体験できる楽しさが、多くのお客様を惹き付けているのでしょう。

大屋根リングに囲まれた領域はとても平和ですが、外側のリアルな世界は、近年、不安定な状態が続いています。昨年
の米国大統領選挙以降は、様々な物事が短期間で大きく揺れ動くようになりました。影響を受けている国内経済もまた、
長引く円安による物価高騰に加えて、関税問題も発生しており、先行きは不透明なままです。併せて、米不足や社会保
障等の課題も積み重なっております。今後数年間は、これらの問題、課題に向き合い、解決していくための正念場とな
りそうです。

そのような中でも、半導体市場は、AI向け半導体やチップレット、自動車の安全機能向上に使われる半導体など、日常
生活に浸透し始めた新たなテクノロジーにより需要が増え続けております。先端技術を活用する企業、大学、機関も増え
て参りました。TSMCの熊本工場も稼働を開始し、これまで輸入に頼っていた戦略物資も、国内での製造・供給体制が
整いつつあります。こういった取り組みや市場の状況から、半導体産業は、ますます活気づくと期待しております。

今後はより一層、需要が高まるであろう半導体において、弊社では、オーダーへの迅速な対応、安定した供給が出来る
よう、日々努力をして行きたいと思っております。

昨年からは、弊社の関連会社であるシリコンソーシアム株式会社と連携し、デザインサービスの拡充、パッケージやモ
ジュールサービスの提供を開始いたしました。本年4月には、お客様へのサポート体制を充実させるため、シリコンソー
シアム株式会社の新横浜支店も開設しております。今後も、試作をはじめ、半導体開発における全てのフェーズでお手伝
いができるよう、ご要望に添えるサービスを展開して参りますので、リクエストなど、いつでもお寄せ下さい。

おかげ様で、試作・量産の取り扱いデザイン数は年々増加し、経験と実績を積み重ねて参りました。これからもハイエ
ンドからレガシーまで、幅広いプロセスの試作・量産サービスを通して、日本の半導体業界の発展に寄与するとともに、
人々が安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献出来るよう、全社一丸となって精進して参ります。

今後とも変わらぬご愛顧とご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和7年7月1日
シリコンアーティストテクノロジー株式会社
代表取締役 斑目 広二

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【半導体後工程のご紹介】
■半導体の後工程とは
どのような製造業にも、上流側(または前工程・Front-End)と下流側(後工程・Back-End)がありますが、半導体の場
合は「ウェハ(Wafer)」で処理・加工するのが前工程、前工程を完了させたウェハを削ったり切ったりして使いやすい形に
するのが後工程です。ダイオード・トランジスタからLSIに至るまで、大きな工程の流れは変わりませんね。

■後工程の役割
1. 製品を守る
半導体には結構過酷な環境下(水分・熱・振動など)で使われるものが少なくありません。
そんな過酷な環境から硬くて脆いチップを守るのは、後工程(パッケージ)の大きな役割の一つです。
パッケージを形作る材料は、チップがその性能を充分発揮出来るよう化学と物理の粋を集めて作られたものです。
例えば、メモリの容量はこの30年で2000倍ほどになっていますが、材料の性能も同じ位UPしている事は意外と
知られていません。

2. チップの性能を引き出す
その反面、パッケージの材料がチップの性能を邪魔していることもあります。
材料の接点や材料の物性のために損失が生じて性能が出ない、パッケージのせいで性能が出ないのは困る。
長い歴史の間に、リードフレームの材料(Cu)が変わり、ワイヤーの材料(Cu;安いと言うのも理由ですが)も変わり、
封止樹脂やインターポーザの物性値(耐熱・CTEなど)も大きく変わりました。
今の封止樹脂は、樹脂とは言うものの85%がフィラー(シリカ、簡単に言うと水晶)なのです。

3. 最新の後工程
最新の後工程技術は凄まじいばかりで、チップに穴を開けたり(TSV)ウェハでパッケージの殆どを作ったり(WLCSPや
CoW)と言う時代になりましたね。
前工程で使われるエッチング装置(異方性エッチング)の技術が格段に進歩した成果ですが、そもそも市場が要求する
性能が上がっているようです。接続方法も、ワイヤーを張るよりスペースや性能面でメリットのあるフリップチップが
増えています。フリップチップで使われるBumpの種類は、C4・ボール・μバンプ(はんだ)・Au-Stud・Cuピラー
(Cu・はんだ)などのように、材料と形が多岐に亘って様々な用途に対応しています。
これら比較的ハイエンドな半導体で使われる技術が目立ちますが、上でも申し上げたようにレガシーな技術が消えて無
くなることはまずありません。

■まとめ
肉眼では見えない世界のウエハプロセスに対して、目に見える後工程・パッケージ。
嘗てベーシックだけだった技術が、市場の要求に従ってどんどん派生し、進歩し、今もなお新しい材料が産まれようと
しています。後工程は、大切に作られたチップを世の中に送り出すための重要な工程ですが、だからこそ様々なご要望
に応えていくために日々進歩を続けています。

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【 当社のサービスについて 】
[ 1 ] 設計サポートサービス
[ 2 ] ウェハ試作・量産サービス
[ 3 ] LSIチップ解析
[ 4 ] 基板設計サービス
[ 5 ] お問合せ
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[1]設計サポートサービス
■ 回路設計サービス
製品仕様を実現するシステム設計
C言語やHDL言語を用いてLSIを実現させる論理設計
デバイス特性を考慮した最適な回路構成、定数の決定などを行うアナログ回路設計
■ レイアウト設計サービス
培われたノウハウと最新のシステムを駆使し、回路に従った素子の配置・配線

[2]ウェハ試作・量産サービス
■ウェハ試作サービス
8nm~0.35umまでLogic・Mixed Signal・RF・High Power・BCDやMOSセンサー
SiGe等 様々なテクノロジーのご利用が可能

[3] LSIチップ解析
■ 不具合対策なども含め各種信頼性試験なども実施可能

[4]基板設計サービス
■ 各種プリント基板設計(FPC/リジット/評価基板など)から試作/量産基板作成可能

[5]お問合せ
本メールの制作、配信などのお問合せはこちらまでお願い致します
E-mail : sales@silicon-artist.com
TEL: 045-478-0118
URL: https://silicon-artist.co.jp/

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編集後記
大暑を迎え、日差しもぐんと強くなり空の青さが一段とまぶしく感じられるようになりました。
朝からセミの大合唱が聞こえてきて「夏がきたな」と実感する日々です。
編集部では、冷房の風と麦茶の力を借りながら、今月もせっせと原稿づくりに励んでおりました。
気温の高い日が続いていますので、皆さまも無理せず、のんびり、こまめに水分補給を。
この夏が、皆さまにとって心地よい時間でありますように。
私たちも次号に向けて、さらに充実した内容をお届けできますよう精進してまいります。
次号もどうぞお楽しみに!
シリコンアーティストテクノロジー株式会社 メールマガジン編集部一同

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